「…………」

いざ言おうとすると言葉がなかなか出て来ない。
思い返せば真剣に告白したことなど、これまでになかった。
柄にもなく緊張しているのが自分でも分かる。
サンジは内心焦るが焦れば焦るほど言葉は出てこない。

「ご、ごめんなさい!」
「はァ?」

サンジが黙ってルフィを見ていると突然、頭を下げて謝罪してきた。
告白してもいないのに断られたようでサンジは顔を引きつらせる。

「お、怒ってるんじゃないのか?」
「なんで、おれが怒るんだよ」
「怖い顔してるからおれ、なんかしちゃったかと思って」

どうやらサンジの緊張している表情を見て、怒って黙っているのだとルフィは勘違いしたようだ。
チラチラとルフィはサンジの様子を伺っている。
サンジはルフィの勘違いぶりに深いため息を吐く。

「違う違う。今は怒るようなことしてねェだろ」
「そ、そうだよな〜」
「もしかして、たまにおれから逃げてたのは怒られると思ったからか?」
「あはは、そのとおり」

どうやら今まで告白しようとしたときに逃げていたのはそういう理由らしい。
告白から逃げていたわけじゃないと分かり、サンジは安堵した。

「そういうことか。悪いことしてないなら怒らねェよ」
「えへへ、よかった」

怒られないと分かったルフィは安心したように可愛らしい顔で笑った。

その顔を見て、サンジの中の何かが切れた。










思わず、キスする

思わず、抱きしめる