「それじゃあオナニーして見せてください」
「は?」
確かにゲームに負けた。負けたら勝ったほうの命令を聞くと約束もした。
でも、まさか自慰を見せろだんなんて。
そんな変態的な命令をされるとは思わずに綱吉は自分の耳を疑った。
「自慰ですよ、自慰。マスターベーション。一人エッチ。どういえばわかりますか?」
「じょ、冗談…」
「そう聞こえますか?」
「っ……」
そうは聞こえない。面白がっている様子に見えるが骸の声音は本気だ。
壁際に追い詰められ、逃げ場がない。
「一人でできないのなら手伝って差し上げましょうか?」
「く、そ…変態!」
「なんと言ってくださっても結構ですよ。こんなチャンスは滅多にないですから。
ほら、下着を脱いで。一人でします? それとも手伝いましょうか?」
ゲームなんてしなければよかった。今さらそう思っても遅い。
勝者の言葉は絶対だ。綱吉は戸惑いながらも自分のズボンを脱いだ。
「いつも下着を着けたままで自慰してるんですか?」
「……」
「いい子ですね」
思いっきり骸を睨んでから綱吉は震える手で下着を脱ぐ。
しゃがみ込み、できるだけ骸に見えないように自身を触った。
「おやおや、あまりご自分でしたことがないみたいですね。拙い手腕が逆にいやらしい」
すべてお見通しというような骸の発言に羞恥でおかしくなりそうだ。
緩やかに手を動かすと、こんな状況下でもわずかに甘い痺れが起こる。
綱吉の表情の変化に気がついたのか骸は笑った。
「クフフ、想像していたより…ずっと卑猥な顔だ」
「っ! せめて、黙ってろよ!」
「仕方ないですね」
黙られると骸の視線を異常に感じる。
それは目をつむっていても痛いほどに見つめられていることがわかった。
「見、るな」
「それでは意味がないでしょう? 続けて」
「っふ……んぅ…」
必死に声を抑える。それでも、微かにもれてしまう喘ぎに骸は笑みを深める。
「もうこんなに大きくして…最近してなかったんですか?
それとも人に見られて余計に感じてる?」
「うるさ…」
「手を止めないで、続けなさい。ほら、もっと強くして?
このままだといつまで経っても終わりませんよ」
「……ぁ…ふっ…」
先ほどより強く掴んで、ゆるゆると上下に動かした。骸の言葉に逆らえない。
羞恥を感じ続けると脳はおかしくなるのだろうか。
「上手ですよ。もっと早く動かして。もっともっと気持ちよくなれますよ」
「んん……や…むり」
「あまり激しくしたことがないんですか? 仕方ないですね」
「ふあ!?」
自身を掴む手の上に骸が手を重ねて掴んできた。
他人の体温にひどく動揺する。
「少し手伝ってあげます」
「や、やら…やめ…て……ひとりでする、から」
骸がこのまま手を動かすのかと思うと恥ずかしくて堪らなかった。
頭を横に振り、無意識に怯えた表情で骸を見上げる。
嗜虐心を煽る表情に骸はごくりと喉を鳴らした。
普段からは想像できないような乱れた表情。
「ダメですよ。そんな顔してお願いしてくると逆効果です」
「やっ! あ、っ…ん……あっ」
「いやらしい音、聞こえますか?」
「やだ! んんぅ…く…っ」
明らかに自分の手の感覚なのにリズムがいつもと違う。
そのことに綱吉は翻弄される。声を上手く抑えられない。
卑猥な言葉、自分の声に耳を塞ぎたいのに、骸は容赦なかった。
「あ、ああ…だ、め……こえ、でる…やあっ」
「声、恥ずかしいですか?」
コクコクと頷く姿を見て骸は思いついたように、綱吉の口を己の口で塞いだ。
「んぅ!? ふぁ…な…」
「ん…声、恥ずかしいのでしょう? それなら、塞がないと」
「あ…んん……っ…ふ」
文句を言う暇もなく再び口を塞がれる。深く深く。
そのことに頭は朦朧とし、自身が限界まで高ぶっていることに気がつく。
骸の手を放そうとするが、それは叶わなかった。
逆にそのことを咎められるように強く扱かれ、我慢できずに綱吉は骸の手の中に白濁を吐き出す。
「ふ!? んんんんっ! あ…は……っ」
「いっぱい出ましたね。クフフ、今度は声も聞かせてくださいね?」
「〜っ!? ばかぁ…」
羞恥で泣き出しそうな綱吉を骸は優しく抱きしめた。
***
「っていう夢を見たんです。なぜか綱吉の内心までわかるという極上の夢を」
「……」
綱吉の冷たい視線にも全然堪えず骸は話し続ける。
「願望を絵に描いたような夢でした。あなた、エロ過ぎますよ。クフフ、言葉攻めしたいしたいと常日頃思っていた僕に対するご褒美でしょうね!」
「……」
「何度似たような夢を見たことか。もしかして今回こそは正夢になるかもしれない! と思って駆けつけたんですが…どうなんでしょう」
「……」
今の自分は死んだ魚のような目をしているんではないだろうかと思うくらい澱んだ眼差しを
向けているはずなのに目の前の南国果実はこれぽっちも気にしてなかった。
それどころか座っている綱吉を後ろから抱き込むように密着してくる。
「そうそう、あのあと自分の息子が元気で大変だったんですよ〜。オカズには困りませんが…思い出すだけでムラムラしちゃうじゃないですか。あんな痴態を見せつけておいて! 責任とってくださいよね! おや? 今日は無口ですね。そんなあなたも素敵です」
腰に当たる硬い物体に怖気がして、綱吉はやっと口を聞く気になった。
「死ねバカ離れろ消えろ変態。何、興奮してんだよ! というか、毎回毎回いかがわしい夢の内容を伝えなくていいんだよ!」
「クフフフ、照れてるんですね」
「そんなこと言ってなーい! オレをお前の夢の中に出演させるな、オレで妄想するな」
「おやおや、頭の中は自由でしょう? 僕の夢と妄想を規制するなど君には不可能ですよ。安心なさい。とっくにあなたでいっぱいなんですから」
言葉と共に腰を押しつけてくる変態に綱吉は真っ赤になって抵抗する。
「や、やめろ! 密着するな! 逆に安心できないって! 何なんだよ…最近、やらしい夢ばっかり見やがって…そ、そんなの言われても困るからな」
「なるほど…僕の押しが弱いばかりに…夢に嫉妬させてしまいましたか」
「そんなこと言ってねーよ! ちょ、電波さわんな! ぎゃー! 服に手を入れるな!!」
「大丈夫ですよ。僕は君しか見えてないですから」
軽々と抱き上げられ、抵抗も虚しくベッドに押し倒された。
すぐに起き上がろうとするが、そんなことを骸が許すわけもない。
「何一つ大丈夫じゃねー!! 助けてリボーン!!」
「こんなときに別の男の名前を呼ぶなんて無粋ですね。お仕置き、されたいんですか?」
苛立ちと情欲の混じる目で見つめられ、綱吉は金縛りにあう。
「っ、骸? 本気か…?」
「知ってますか? 僕たち、夢の中では一度も最後までしてないんですよ」
「…し、知ってるけど」
毎回毎回、綱吉本人に言いに来るのだから骸の見るいかがわしい夢の内容は覚えている。
初めの方は聞かないように耳を塞いで抵抗していたが、無理やり聞かせる事に悦楽を感じるような表情を骸が見せたので今ではおとなしく聞いている。
その方が安全だと超直感が伝えたのかもしれない。
数ある夢の中でも確かに変態的なシチュエーションは多々あったが最後までできたとは聞いたことなかった。
戸惑う綱吉に骸は子供のように無邪気に笑う。
「やはり、最後までは現実世界でしたいんですよ。
だって、きっとそうでなければ意味はないでしょう? 綱吉本人に触れられないと、ね」
急な表情の変化。あまりに艶やかに笑われ、綱吉は抵抗を忘れた。
その隙に骸の手が下着の中に入ってくる。
「…む、骸……や…ダメだったら」
「もう我慢できない。むしろ、ここまで我慢した僕を褒めてほしいくらいです」
「ば、ばか…」
「愛してますよ、綱吉。夢の中以上に愛してあげます」
「んっ! ふ…〜っ」
濃厚な口づけに突っぱねていた両手で骸の上着をぎゅっと掴んだ。
その様子に骸は嬉しそうに笑う。
本気の抵抗なんて、いつまでもできるわけがなかった。
だって、自分も骸のことが好きなのだから。
*END*
正夢じゃなくね?はい、題名はもう思いつきません。
もうしばらく清いお付き合いがしたいツナとどこまでも関係を深めたい骸。
我慢のさせすぎで変な夢を見る骸。
そして、それを事細かに毎回聞かされるツナの図でした。
はい、付き合ってるつもりで書きました。
ツナはね、照れるだけなんだよ!本当に本当だよ!笑
うーむ、えろい話は読むに限るな〜書くのは苦手なんだぜ。
むしろ、夢オチとはいえ、ここまでのは…初めて書いたよ。
いや、こんなのえろに入りませんよと言われても仕方ないとも思っている。
えろを書ける人を尊敬します、心から。
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